昨年末あたりに下書きしていた記事ですが、個人的に大事なことだなぁと思ったので、やはりちゃんと記事にしておこうと思いました。
自分を構成する認識の力
思考というのは何かの前提(認識)によって生まれていて、それらは、生まれ育った環境などで、幼い頃などに決まったり、持って生まれた資質から、その後の様々な要因により決定づけらたりします。
例えば
「お金は簡単には稼げない」
「苦労してこそ仕事」
「育児や家事は女性の役目」
「男性は社会に出て働くべき」
などなど。。
冷静かつ客観的にみると、「いや、そんなことはないんじゃない」と思うようなことでも、本人が固く信じていた場合、そういった様々な思考パターンは、多ければ、多いほど、「自分」を構成する1つの判断材料として、より強固になっていきます。
そうして疑いもないレベルになると、自動反応パターンとして定着する。
以下の記事でも触れていますが、その思考パターンに反することなどが起きると、それに対してほぼ自動的に反応しています。
自分の親の影響や育った環境による影響など、幼少期から培われた思考パターンは、自分が意識しているものもあれば、意識出来てなかったこともあります。
例えば、
「〇〇をする人はこういう人だ。」
そういった決めつけのような前提が、そんなことは思ってないと自分で思っていても、無意識のうちに少なからずあった場合、その人と接すると、本当にそういう面が見えてくる。
そして自動的に反応する。「怒り」だったり「哀しみ」だったり、はたまた「嬉しさ」だったり。
嬉しさならいいけど、こういう場合は大体が怒りとかで反応します。
こうなると、自我は
「ほら、やっぱりな」
と確信し、その思いを強めてしまうことになります。
「〇〇する人は、〇〇だ」
「〇〇なのは、〇〇だからだ」
「〇〇だから、〇〇できない」
これは、はたして、それは本当にそうなのか、と。
その前提を疑うとどうなるのか。。
人は思い込みで生きている
自分も含め、人はほとんど思い込みで生きてるなぁと感じることが多いですが、
この前、とある友人が「好きな人からLINE(返事)が全然返ってこないから、こっち(私)には興味がないんだ…」と落ち込んでいました。
返ってきても返しが冷たいそうです。
そのLINEを見せてくれたのですが、確かにそっけない感じですが、なんか返し方が自分の父親の返答の仕方に似ていました。笑
(この人元々こういう返ししか出来ない人なんじゃ……?)
と思いましたが、その人を直接知っているわけではないし、私より彼女の方がその人を知っているので、もしかしたら本当に冷たいのかもしれません。
しかし、彼女は実際に彼が「冷たい」と思う理由をいくつも並べ、うまくいかない理由の証拠を自分で探しているようにも思えました。
客観的にみると、確かにクールな彼なんだなぁと思いますが、だからと言って、決定的に「彼女のことが好きではない」という理由には繋がらないようなことばかりでした。
本当にそれだけで興味ないとかいうことは、実際は本人に聞いてみないとわからないことです。
返信が遅いのも、本当に興味がないのかもしれませんし、もしかしたら、たまたますぐ返せない事情があったからかもしれませんし、本当のところなんてわかりません。それだけで決めつけるには尚早です。
現状をフラットにみる
こんな風に言うと、ポジティブ思考乙ww
みたいな感じに言われるかもですが、よくよく冷静に考えてみると、世の中って、大概にして「実際はわからない」ことがほとんどのように思います。
ましてや、人の気持ちなどはなおさらで、テレビやネットのニュースだって例外ではないです。
実際の真実は違ったりすることもありますし、さらに言えば、実際に現地へ行って、その事実を目の前で確認したとしても、その事柄に対する印象や受け取り方は結局はその人次第なので、その事実を見た人の受け取り方は100人いたら100通りあります。
そのうちの1人が記事にしていて、さらに、またそれを見た人の数だけ受け取り方があります……
以前の記事にも載せましたが、
私はこのド・ブロイの二重スリットの実験の話が非常に興味深くて大好きなんですが、どういう実験かをものすごく簡単に言うと、量子は観測された状態と観測されてない状態ではそのふるまいを変えるという話です。*1
このことから、認識こそが自分の世界に影響を与えていると、もしそうならば、
自分の思い込みを外して、もっと現状を、世界をありのままにみる、そうした方が、なんか楽ではないだろうかと思いました。
意識的に生きるとは
その上で、「じゃあどうしたらいいんだ。」となりますが、
自我は元々は防衛本能であり、ほぼ無意識で自働的に反応します。思考パターンも同じです。
それは幼い頃からの習慣であったり、自分の思考であったり、さらにそれが「思い込み」だってことを自分で気づいていないことのが多いので、なかなかそういったものを変えるのは容易ではないかもしれません。
だからこそ、自分で変えていく必要があるのかなと思います。
このブログのテーマの1つである潜在意識の重要さは、今まで散々書いてきましたが、普段使っているのは顕在意識なので、ここではそこから意識していく方法として書いてます。
ダイレクトに潜在意識にアクセスできる方もいますし、本当は完璧な潜在意識に丸投げできることや「思考しない」ことが一番なのですが、根にある潜在意識が既に凝り固まってる場合、顕在意識から少しずつ意識を変えていくことで、結果的に潜在意識にも届く(のではいかという希望的観測。笑)
だから、普段から、気付いたときでいいから、意識する。
慣れ親しんだ思考パターンを見直す。
自我に主導権を明け渡さない。
自分の心の状態の決定権は、他人でも、自我でもなく、その「意識」「意図」によって決めることが出来ます。
思い込みをどんどん手放していきましょう。
例えば、「諦め」という言葉。
「諦めないこと」というのは、スポーツの世界でもしばしば激励の言葉として使われたりするので、それ自体は別に良いと思います。
なので、自分にはこれしかない!と諦めずに頑張っている場合、「諦めること」は、あまり良い言葉に感じないかもしれません。
しかし、それを諦めた瞬間、新たに他の可能性が生まれます。
「諦め」とは「他の可能性が開く」という意味もあるのです。
それと同じで、物事には多角的な側面があります。
そうやって、少しずつでもいいので、気付いたときにいつもの慣れ親しんだ思考パターンから、いつもとは違った角度で物事を考え直してみると良いかもしれないと思いました。
ずっと同じ思考パターンを繰り返してきた人は、違う思考パターンをしたら「自分」ではない感じがして違和感を感じるかもしれませんが、
それでいいのだと思います。
そう思っていた「自分」が思考によって強固になっていただけです。
なので、うっかりすると、またいつもの、慣れ親しんだ側面でしか物事を見ない自分が出てきてしまうかもしれないけれど、
そこを「意識」して、自分の固定概念を発見していくだけでも、効果があると思います。
そうすると、見えていなかった他の側面が見えてきたりします。
*1:この話を批判的に皮肉ったのが、「シュレーディンガーの猫」で知られる思考実験ですが、それが後々、パラレルワールドという解釈をする学者が出てきたりと、科学的な分野と神秘学が融合してくるので、量子力学の分野は非常に面白いです。