突然で超今更ですが、誰も待ってないこの続き書いてきます。笑
以前、上記記事にて占星学の超基礎からの全体像をざっくりまとめたのですが、そこからの具体的な詳細(星座(サイン)・感受点(天体)・室(ハウス)・角度(アスペクト))などについてはまとめていませんでした。
というのもこれらは元々、西洋占星術を全く知らない友人向けに一から作っていたまとめを自分の備忘録として記事にしてたということもあり、本当に、あまりに初歩の初歩的内容なので、続きを書くのを割愛してました;
でも、以前書いた下書きが多少残っていたので、せっかくなのでまとめてみた次第です。 笑
一応、前回の初歩的まとめシリーズを踏まえた前提で書いてきます。
感受点とは何か
ホロスコープ上を動き回る惑星天体。
天文学的な計算で導かれたポイント。
それらを西洋占星術では通常、感受点と呼び、文字通り、作用を感受するポイントとして扱います。
天文学的なポイントと違い、西洋占星術で使われる10天体は、天体が具体的な受け皿として感受するので、最もメインの感受点*1です。
これら10天体は、サインによっては色を変え、天体同士でも作用し合いながら、自己や他者に投影されます。
自分を構成する部品みたいな感じで捉えるとわかりやすいかもしれません。
大きな自分(自己)があって、内在している天体に自分を同一化して、それぞれの用途にわけて使いこなしています。
ある時は、太陽
ある時は、月
ある時は、金星
というように。
そして、天体にもそれぞれ性質があり、個人によって、使いやすい天体や使いにくく苦手な天体などもあったりします。
何を普段、使っているかは状況に応じて違いますし、使いやすさも各々違います。特に、自分のものとして使われていない天体を周囲に投影します。
例えば、社会構造や地域によって変化しますが一般的に、女性天体である金星は男性は使いにくいとされ、逆に、男性天体とされる火星は女性は使いにくいとされてたりするので(もちろん後述する天体の発達年齢域によっても違いますし、出生図の配置によっては、その星を自分でバリバリ使いこなしている場合もあります)、その使えていないものを相手に投影したりします。
この投影は特に恋愛・結婚で作用しますが、その話はまた後で詳しく記事にしたい。。
天体の種類と発達年齢
すでに紹介したように、西洋占星術では10天体(古典では土星までの7天体)を使用しますが、それぞれ天体には発達されやすい年齢があるとされています。
以下、天体についての詳細を書こうとしたのですが、また恐ろしく長い記事になってしまいそうだったので、ここでは簡単ですが、各天体の簡単な特徴と発達年齢だけ羅列します。
それぞれの天体については個別の記事で書くかもしれないので、書いたら、この項目にその記事のリンクつけてこうかと思います。笑
月☽ Moon
発達年齢:0歳~7歳
身体・感情・習慣・受容性・プライベート・衣食住・家庭・女性・母・妻
身体や気分など、基礎的反応パターン・日常生活に深く関わる星。
水星☿ Mercury
発達年齢:8歳~15歳
知性・知覚・言語能力・会話・伝達・通信・神経・移動・技能・兄弟姉妹
神経作用や知性の発達を司る星。
金星♀ Venus
発達年齢:15歳~24歳
楽しみ・感受性・美的センス・お金・恋愛・趣味・官能・若い女性
感受性の華やかさを形成する星。
太陽☉ Sun
発達年齢:25歳~35歳
社会的な自己・目的・目標・成長・自我・自己主張・主体性・男性・父・夫
太陽を偽装した地球(占星術での太陽は、地球の投影(自分)のことを指す)
火星♂ Mars
発達年齢:35歳~45歳
情熱・活力・攻撃力・行動力・やる気・競争・アピール力・暴力・セックス・若い男性
対外的に主張する能力に関わる星。
木星♃ Jupiter
発達年齢:45歳~55歳
社会性・発展・拡大・増やす作用・肯定・受容・善意・いい加減・怠惰・おおらか
発展性と拡大の象徴の星。
土星♄ Saturn
発達年齢:55歳~70歳
規律・モラル・制限・試練・安定・地味・頑固・減らす作用・年長者
安定と制約をもたらす継続には欠かせない星。
天王星♅ Uranus
発達年齢:70歳~84歳
変革・革新・刷新・アイディア・独立・独自性・電子(テクノロジー)・変人
遠いところから新たな影響を持ち込む星
海王星♆ Neptune
発達年齢:84歳~
無意識・夢・イメージ・芸術・創作・霊感・スピリチュアリティ・神秘・虚偽・お酒
遠いところからビジョンを持ち込む星
冥王星♇ Pluto
発達年齢:死の瞬間~死後
死と再生・破壊性・強制力・極端性・底力
太陽系外部の影響を持ち込む、人知の及ばない星
天体の区別と周期
普段使われる天体を、個人(パーソナル)天体と呼びます。
これらの天体は、公転周期も早いので意識化しやすく、生きるうえで通常メインに使われます。特に根幹となってくる重要な太陽と月は、ライツ(lights)、またはルミナリーズとも呼ばれます。
<個人天体>(公転周期)
- 月(約28日)
- 太陽(約1年)
- 水星(約88日)
- 金星(約225日)
- 火星(約688日)
個人天体の中でも、太陽・水星・金星はそう距離が離れておらず、常にセットで動くため、水星や金星は、太陽の意志を伝える目的としてそれぞれ使われています。
火星は地球より外側を周る天体で、外側へ向かう行動力を表します。
それまでは内的に形成されるものなので、本当の意味での個人天体は金星までかもしれません。いわば、個人を、それ以遠の天体(社会)へ繋ぐ間の星と解釈できます。
天体の発達年齢も太陽発達年齢以後(35歳~)とされているのはそのためです。
これより遠い天体(木星・土星)は、社会天体と呼ばれ、社会との関係を表します。トランスサタニアン(天王星・海王星・冥王星)などの天体は、個人的というよりかは、世代などの全体的な社会影響や長期的な運命の流れに関わってきます。
しかし、これらは遠いからといって、個人の影響が少ないというわけではなく、むしろ遠い天体ほど、威力は強大です。
<社会天体>
- 木星(11.9年)
- 土星(29.5年)
<トランスサタニアン>
- 天王星(84.08年)
- 海王星(164.8年)
- 冥王星(248.5年)
なので、動きの遅い(地球から遠い)天体ほど、作用が強力だが、意識化が難しいので、使いこなすのが難しいとされています。
トランスサタニアン(土星を超えた星)においては、発見されたのが19世紀以降のため、今まで表層に表れない部分としてあった星が新しい価値観として使われるようになりました。
天王星がサイン1周84年なので、これを人の一生だとすると、海王星や冥王星は人の一生の2~3回分に相当するため、死後の世界、先祖や世代、人の意識の外にあるものなので、人生においては、特にこれを使用しなくても一生を終えることは可能です。しかし、これらの星は、そういった意味では、人知を超えた先への架け橋になります。
なので、スピリチュアルなど、目に見えない精神世界に関心や傾倒がある人はこれらの星との関わりが強いと思われます。
その他の感受点
天体は具体的な星ですが、その他、冒頭で触れたように、天文学的なポイントも「感受点」として扱われています。
あくまで計算によって導き出されたポイントなので、そこに実在の惑星があるわけではありません。それらは複数ありますが、よく使われるものを少しだけ説明します。
ASC(アセンダント)/DES(ディセンダント)
生まれた瞬間に、東の地平線上の太陽が昇ってくるポイント(上昇点)のことを、Ascendant(アセンダント→表記略:ASC)と呼びます。これに対して、西の地平線に太陽が沈むポイント(下降点)を、Desendant(ディセンダント→表記略:DES)と呼びます。ASCは1ハウスの起点となり、DESは7ハウスの起点となります。この他に、4ハウスの起点となるIC(北中)、10ハウスの起点となるMC(南中)もあります。
これらはハウスと関わりが深いので、詳細はハウスをまとめるときに触れるとして、ここでは感受点として紹介だけしておきます。
ドラゴンヘッド(ノースノード)・ドラゴンテイル(サウスノード)
西洋占星術で、ノードやドラゴンと言ったら、このポイントのことを指します。
ノードは、計算によって導き出される、月の軌道(白道)と太陽の軌道(黄道)の交点のことです。
黄道に対して月が北上するポイント(月の昇交点)をノース・ノード(=ドラゴンヘッド)と言い、逆に月が南下するポイント(月の降交点)をサウス・ノード(=ドラゴンヘッド)と言います。
この地点の近くで新月・満月が起こるときは、日食・月食になります。
ヨーロッパでは、日食・月食が起こるポイントを空飛ぶ竜が太陽と月を食らう姿をイメージしたことから、星が姿を消す2つのポイントを竜の頭(ヘッド)と尾(テイル)になぞらえて、ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルとも呼ばれたそうです。
ノードのマークもそのような由来だとか。
これら2つの点は正反対に位置し、約19年で1周します。
一般的に、ヘッドは、未来、テイルは過去を表し、過去世やカルマ等と関係があると言われてますが、占星術家によって解釈に幅があります。
また、ノードは集団的な意味合いを持つので、転じて「縁」という解釈もあります。
余談ですが、インド占星術でも、太陽の軌道に月の軌道が交わるこのポイントは重要であるとされ使用されます。ドラゴンヘッドをラーフ(Rāhu)、ドラゴンヘッドをケートゥ(Ketu)と呼びますが、ヘッドは貪欲さ、テイルは浄化といったように、西洋占星術と意味合いが少し違います。
月の遠地点(リリス)
言わずと知れた、月の遠地点(アポジー)、通称リリスと呼ばれます。
月の遠地点とは、その名のとおり、月が地球から最も遠く離れた地点で、逆に、一番近い地点を月の近地点(ぺリジー)と呼びますが、リリスの方が圧倒的に使われてます。この地点で満月があると、通常より月の大きさが遠地点では小さく見え、近地点では大きく見えます。
暦Wiki/月の満ち欠け/周期の変動 – 国立天文台暦計算室
近地点はガブリエルという天使、またはプリアーポスという男性の生殖力を司るギリシア神話の神の名がつけられているのに対し、遠地点のリリスという名は、アダムの最初の妻、悪霊とされる伝承のリリスから由来されています。リリスは、その人本人の隠された欲望と言われ、ここのポイントに相手の個人天体が来ると相対的な作用が起こるとされているので、リリスは特に、相性で使われることが多いです。天体や位置によっては非常に強力に作用するので、無視できないポイントだと思います。
リリスについては、謎も多いが、思うところも多いので、また別記事としてまとめたいです。
アラビック・パーツ(Arabic Parts)
アラブで占星術が発達した時代に多用された計算上のポイント。ASCと天体の度数を用いて算出するため、生まれた時間や場所が正確である必要があります。
最もよく使われるのは、パート・オブ・フォーチュン(以下、POF)と、パート・オブ・スピリット(以下、POS)で、ASCの度数から太陽と月の天体度数を足し引きして導き出されます。
例えば、POFは、自身が生まれつき持っている幸福のポイントを、POSは、魂・精神における、渇望する・喚起するポイントとされ、そこのポイントのサインと度数、また自分の何のハウスになるのかと照らし合わせてみることが多いようです。アラビック・パーツの種類と計算式は多様にありますが(100種類以上)、どれも表現が曖昧なため、これらにおいては検証が必要な感じがしますが、POFとPOSポイントの計算式だけ記載しておきます。
- ASC度数+月の度数-太陽の度数 = POF(パート・オブ・フォーチュン)
- ASC度数+太陽の度数-月の度数 = POS(パート・オブ・スピリット)
個人的見解によると、POFは母親、POSは父親と関係が深いような気がしています。
まとめ
このように、天文学的に計算されたポイントというのは結構あって、上記のような感受点のほかにも、子午線と規則的な関係の中で割り出されるヴァーテックス(Vt)・アンチ・ヴァーテックス(AVt)などがあります。
また、技法の1つとして、天体と天体の間のポイントを感受点として作用を読み解く手法(ミッドポイント/ハーフサム)などもあり、このように、西洋占星術は、深めればその分深められるのも醍醐味の1つだと思います。
今回は、基本の「き」の1つということで、ほとんど概要の説明でしたが、今後記事を書いていくうえで、感受点にも色々あるというところをまとめておきたかったので、記事にしました。
個別にまた詳しく書いていけたらいいな。。
*1:人によっては、天文学的ポイントのみを「感受点」とし、「天体」とはまた区別してる場合もありますが、ここでは天体も「感受点」の1つとして扱って説明してます