春分の日も過ぎて、西洋占星術ではまた新たな1年が始まりました。
東洋の占術では、占術や流派によって諸説あって、冬至とか春分とか、太陰暦の元旦からとか色々あります。
最近、西洋占術と東洋占術について、その特色に違いがあったりして、それぞれの違いや関連性とかをみるのが興味深くて面白いです。
西洋占星術は引き続き愛学しているのですが、東洋の占術についてはあまり詳しくなく、何事もやはりそのものを知ってからでないと検証はできないなぁと思い、今月から本格的に東洋占術(一部)を学びはじめました。
「占い」と一概に言いましても、その種類はたくさんあり、東洋西洋でもその特徴は違います。
なので、今日はここらで一度、自分の知識整理のためにも占術の種類からその違いをざっくりと(とか言いつつまたダラダラと)まとめてみようと思います。笑
占術の種類
まず占術の種類について。基本的なことなので、自分が言及しなくても調べればわかるのでざっくりと紹介。
五術とは
五術とは、古代中国より伝わる、「命・卜・相・医・山」の五つの術法のこと。中国より伝わったので「東洋五術」「五術運命学」とも呼ばれています。
- 命術(命占)めいじゅつ
生まれたときに定められた不変的な情報を元に運勢を読み解く占術方法。
(例:西洋占星術・四柱推命・算命・宿曜・紫微斗数)
- 卜術(卜占/雑占)ぼくじゅつ
偶然性に表れた象徴を用いて事柄の成り行きを占う占術方法。
(例:タロット・易・六壬神課・ルーン・ホラリー)
- 相術(相占)そうじゅつ
モノのかたちや形状から吉凶を占う占術方法。
(例:手相・人相・風水・姓名判断)
これがいわゆる「占い」で主に使われている術の種類です。ここまでが一般的に占術とされ、「運命学」と呼ばれます。
これに、医術と山術を足して、五術と呼ばれています。
医術は、その名のとおり、医療に使われる術のことです。そのままですが。
方剤(漢方とか)・鍼灸・整体とか。病気の治療や体質改善、人間の肉体に対して、医学的な要素からアプローチする方術。
そして山術とは、聞きなれない言葉かもですが、
心身を鍛錬(修行)して得られる術のことです。仙道とも呼ばれます。
武道や拳法、宗教などもその範疇で、人間の精神面から身体面までを、経典や思想などを通して極める、自己の完成を目指す術で、古来、これらを極めた者のことは仙人と呼ばれ、その道のことを仙道と言ったそうです。
一般的に言うと、禅とかヨガとか瞑想とか、呼吸法などのことを指します。
山術は、俗に開運法と言っている人もいます。相術も吉方位をとるなどして開運とありますが、こちらは精神的というか実は根本的な意味での開運と言っているのかな、と思いました。
そして私は最近、つまりこの山術が大事なんじゃないかと思っていて。
仙人の道とか心身の修練とか言われると、それこそ山にこもって修行しないといけないのかって思っちゃいますけど(古来よりそうして会得された方もいますが)、「引き寄せの法則」とかの極意も、詰まるところ、この分類に入るのかな…という感じがしてます。山術はスピリチュアルな分野でいったら結構ガチな範囲というか、宇宙の真理を知る分野というか、私がもっぱら興味をひいてやまない潜在意識の直結系もしくは、スピ系でよく言われる「大いなる存在(自己)」や「ハイヤーセルフ」、「神」、「観照意識」などと呼ばれているような、いわゆる「それのこと」がわかることなんじゃないかと……なんとなくそんな感じに勝手に思っています。
つまり、「悟り」のことです。
山と医が心と身体の根本的な部分だとしたら、占術は「手段」としてより現実的・実践的に使っていく感じですかね。
最初、勉強していて、ピラミッド型の図の頂点に山術で、順に医・卜・相・命としている五術の図解を目にした時、なるほど~と思ったんですが、改めて色々研究してきたことを踏まえると、私はなんとなく、山術はもっと根源的な感じの印象がしていて。
山術は、仙道と言われるように、その術を真に使えるものが限られる(超人な人のみが使える術)とされてる印象がありますが(だからピラミッドの頂点に山術なのかな…)、医術を身体、山術を「悟り」として捉えた場合、特殊な術というよりかは、もしかしたら山と医は、あらゆるものの土台なんじゃないかという気がしてます。
なので↑は私の見解によるところの図解です。笑 (原典の意味はそうじゃないかもしれませんが^^;)
でも、アプローチ的に考えたら、ピラミッド型の図解はしっくりきます。アプローチの難しさでいったら、山術が一番上にあるのも頷けますし、山術を会得した人は、その下にある術を全て包括しているようにも思えるので。
この命・卜・相・医・山ですが、心と身体の両方を中心にケアする医と山に、予測や判断材料としての占術を組み合わせて1つ、というように、それぞれがバラバラではなく、それらを全体の1つとして捉えるのが本来の道なのかなと思ったり。この辺はまた最後にまとめます。
西洋と東洋の違い
さて、話は戻りまして、ここからは、命術、卜術の西洋・東洋の個人的に感じた(感覚的な)違いについてまとめます。
※自分の知ってる占術からの言及になるので知識に偏りがありますが;
西洋占術(西洋占星術やタロットなど)
西洋占術に代表される、西洋占星術やタロットなどは、個人による差は多少あれど、大きな流派や派閥などなく、間口も広いため、独学しやすい占術だと言われています。
師匠などはいなく、独学でプロになった方も大勢いらっしゃいます。(もちろん師に教わってプロになった方もいます)
特に、西洋占星術は、雑誌やTVの12星座占いなどから今は大衆に知られているため、一般的にも親しみやすく、かつ理論体系がしっかりしている(参考書もたくさん出ている)ので、学びやすいです。
敷居が低いとでもいうんでしょうかね。初心者でも入りやすい。
しかし、敷居が低いからといって内容が浅いわけではなく、いざ本格的に勉強してみると、すっごく奥が深くて、色々複雑な見方もできるし、突き詰めていくと幅広く、そして深く色んなことがわかるディープな占術でもあるので、素人向きだけじゃなく玄人向きでもある。
西洋占星術は、浅くも深くも楽しめる、可能性の広い占術だなぁと思っています。
また、心理学との融合も深く、心理占星術という分野もあります。心理というだけあり、その「人」によって見ていく傾向があり、解釈に心理的な要素があり、幅が広いです。
東洋占術(四柱推命、紫微斗数、算命学、七政四餘、易占など)
対して、東洋占術は、よく、独学は難しいと言われています。
それは四柱推命をはじめとした東洋系の占術は、流派が数種類あるし、口伝による伝承(秘伝)も多く、その分それぞれに閉鎖的なので、そう言われているのかなぁと思います。
なので敷居が高い感じがします。限られた人間だけに伝わるイメージなので間口が狭い。
だけど、それだけ東洋占術は「本格的」というか、吉凶鋭くでるし、ずばっと「当たる」感じがします。
占術の種類にもよりますけど、見方が結構ロジック的なので、占術者の解釈の幅が西洋占星術に比べると広くないようなイメージ。誰が見ても吉凶がはっきりわかるというか。流派によっては神の教え(神理)というような概念(絶対運命論)的な要素もあって、だからあそこまで断定的に言えるんだろうなぁと思いました。
あと、吉凶が明確な分、どちらかというとネガティブなこと言われますね^^;占断もネガティブに着目するというか。
その点、西洋占星術は、「心理占」と言われるだけあって、人によって解釈が違ったり幅があるので、ネガティブも良いようによってはポジティブ解釈にできる。だけど、その分下手すると何でもあり的な曖昧な解釈になる可能性があるので、占術者の見解の差によるところも大きいのかなぁと思うところはあります。
しかし、術者による見解の違いというのは、もちろん東洋占術にもあって、四柱推命などは流派や人によって見方や解釈がだいぶ違うこともあり、比較的他の流派へ排他的な印象です。だけど、やはり東洋的な宿命論みたいなのも根本にあって、宿命論(吉凶の判断が厳密に定められている)が故に西洋よりも異論が認められづらいのかな、とも思いました。専門じゃないので流派による違いは語れませんが、そういう背景もあってか、いずれにせよ、語るには一概に語れない難しい占術だなと思います。。。
また、算命(学)についてですが、これも東洋から伝わり、四柱推命とも基本的なロジックは似ているなぁと思いますが、こちらはより自然の理論に基づいた考えが根底にあって、それを人間の生き方や人生観に当てはめた占術というか、独自の「人間学」という感じがします。術というか、それら含めた人間の学問。だから算命”学”なのかな、と。算命学にも流派がありますが、四柱推命とはまた似て非なる占術だなと思いました。
東洋占術の個々の詳しい内容はここでは割愛して、東洋占術にはどのような種類があるかだけざっと記します。
<命術>
<卜術>
- 易(周易・断易)
- 六壬神課*3
<相術>
- 奇門遁甲*4
- 風水
- 姓名判断
- 手相(西洋手相もある)
インド占星術
あと1つ言及しておきたいのがインド占星術です。
インド占星術はJyotish(ジョーティッシュ=光の科学)と呼ばれ、論理的で再現性が高い占星術と言われてます。
インド占星術は東洋と西洋の間というか、よく紫微斗数や宿曜占星術、西洋占星術に似ているとも言われますが、
その価値観は、西洋占星術とは似て非なる部分があります。
しかし、基本、使う星座や惑星、12の宮など、用語等、似ているところはあります。(古典の西洋占星術に近いです)
また、宿曜とも関連が深いです。
宿曜は起源が諸説あるのでどちらが先とかは明確なのではないですけど、一応今言われている流れが以下です。
一説には、インド占星術は5000年の歴史があるとも言われています。
インド占星術は、その占術自体がヒンドゥー教の思想や世界観と一体化してます。
なので、その世界観や価値観がしっかりあり、ヨガや瞑想、宗教の思想など含めて総合的な体系として確立されています。
西洋占星術との違いは、ホロスコープを作るときの基準(方式)の違いなど、多々ありますが、特に大きいなと感じる部分はやはりその世界観というか解釈の違いです。
<追記>
インド占星術についてや、西洋占星術との違いはこちらにまとめました。↓
東洋西洋違いについて個人的な見解まとめ
例外なくダラっと長くなりましたが、ざっとまとめると
- 覚えるまでが大変だが一度そのロジックを会得すれば、吉凶はっきり占える東洋占術。
- 導入しやすく、浅くも深くも人の心理面にまで寄り添える西洋占星術。
それぞれどちらにも良さはあるので、どちらが良い悪いかというよりか、この辺は一長一短なので、あとは好みの問題ですね。
あと、これはかなり余談で個人的な見解なのですが、なんか西洋占星術やってる人は明らかに女性の方が多い気がするのですけど、一方、東洋占術を生業にしてる人はそれに比べると男性(特に年配の方)が比較的多い気がします。。。(それぞれ男性女性の占術師がいるので、本当一概に言えませんが)
私の勝手な推測だと、東洋占術の方がロジック的(数理的)だから比較的男性にも好まれて、西洋占星術は心理的要素が多いので、より女性に好まれやすいのかなぁと個人的に思ったり。
まぁ以前の記事でも言及したように、占い(神秘的なこと)自体、女性の方が圧倒的に多いんですけど、あくまで勝手な推測。笑
それぞれの分野に、それぞれのスペシャリストがおり、独自の理論や思想、信念をもって占術をされてると思うし、占術の違いは、それぞれに考え方があるので、一概に、どちらが良い、悪いや、当たる、当たらないとかの優劣つけれるものではないです。
なので、とりあえず私の個人的な印象はこんな感じ。ということで。
全体まとめ
そして、最初の五術の話に戻りますが、「占い」とは本来占いだけをやってるのが占いではなく、それぞれがそれぞれとして独立しているわけでないというのが、この命・卜・相・医・山の全体像からわかります。
医療は医療、占術は占術、ヨガはヨガ、など、それぞれがバラバラに伝わっているので、一見わかりづらいかもですが、本来は命・卜・相という予測する占術に、医・山を組み込んだとき、全体として調和するものなのかな、と。
だから、「風水的にいいからと高額な開運グッズを買いまくって家族に迷惑かけている」とか、「占いにハマりすぎて占い師の言いなりになって周りが見えなくなっている」とか、もしそれでご自身が心身共に健康な状態でなくなってるのであったら、それは本来おかしな話で。
先ほど少し触れましたが、健全な精神は、健全な身体に宿る(逆も然り)というように、健全な心と身体が土台にあってこそだと思うので、「運気が悪く、必ず悪い結果をもたらすから一切外出しない」とか、「何百万回ここへお参りしなさい」とか、心身のバランスが崩れるような占いの使い方は本末転倒だと思うわけであります。。
全体のバランスがあったうえで、その手段を各個人で目的別に使い分けることができればいいのではないかと思います。
占いはあくまで自分の有効な手段として使うツールだと改めて思う今日この頃でした。
*1:七政四餘とは、中国の陰陽五行とギリシャの四元素にインドの密教思想が融合された、いわば、四柱推命、紫微斗数などの東洋占術のベースとなる占術。理論には、宿曜やインド占星術の要素も組み込まれているが、それゆえ、理論体系が、複雑で難解なため、現在実占で使用する者はほとんどいない。東洋命占多くは計算から導きだした仮想天体を扱うのに対し、七政四余は実在の星(七政)と仮想天体(四余)を両方使用する。
*2:宿曜とは、天の月の通り道(白道)上を分割し(28等分またはそれぞれの宿に固有の角度を設定し分割)その分割した経線帯をそれぞれ宿とする宿曜経に書かれたものを、占術として用いたのが宿曜占術とされる。説によっては、27宿を使用する。中国で発生した系統と、インドで発生した系統で多少の違いがある。
*3:六壬神課とは、東洋版のホラリー占星術とも言われ、相談された時刻より、四課三伝の課式を作成し、配置された星で状況を占う。占うにあたって式盤を使う式占の1種で「六壬式」または「玄女式」と呼ばれる。
*4:奇門遁甲とは、中国戦国時代に使われた術の1つで、物事と関わる際最良の日時、方位を選ぶ占術。古くは兵法として用いられ、現在では開運術や方位術として使われる。占うにあたって式盤を使う式占の1種で「遁甲式」と呼ばれる。