前回よりだいぶ日が空きましたが(汗)、性懲りもなく大アルカナ続きです。
Ⅲ.女帝
柔らかなクッションに腰をかけて優しく微笑んでいます。
豊かな森からあなたの元へ流れる川
そして足元には豊かな実りの麦
12個の星をあしらった月桂冠
愛で守るビーナスの盾
2→3への変化です。「3」という数字。西洋占星術でいうと、2番目の牡牛座で定着させたものを安定的に使っていく、3番目の星座=双子座と同じように、3は「調和」を表します。
3本の矢、3人寄れば文殊の知恵など、3という数字は古来より調和の数字として使われてきました。また三角形という形も実に安定して調和しています。2で出来なかったものに動きが加わります。
さて、この「女帝」ですが、見ての通り女性の豊かさが全面に表れているカードです。
前回の「女教皇」も女性性を表すカードでしたが、「女教皇」とはだいぶ違います。
よく言われるのは「女教皇」(神秘さ、処女性)からの変化です。処女マリアから聖母マリアへの成長したかのような、母親的な愛です。
また、「女教皇」が自己完結的な処女性を表すなら、「女帝」は、社交的で情熱的な側面を表し、彼女の持つ愛のセクシュアリティは異性との関係性ではなく、彼女自身の生命エネルギーだとされています。
情熱のエネルギーは川となって、彼女の足元に流れ込み、王冠の12個の星は12星座を表しているとされ、彼女が天の女王であることを示します。
攻撃するための道具ではなく、みんなを守る愛の盾を持ち、クッションと盾に描かれたヴィーナスのマークから、愛の女神アフロディーテ、足元の育つ麦より、農業の女神デルメルを連想します。
そう、女帝は、「愛と豊かさの女神」というイメージです。
ウェイト版に描かれた女帝を見ると、お腹に子を宿しているとよく言われてます。
そういえば、ボッティチェリの「春」に描かれたアフロディーテもマタニティみたいな服を着てますよね。(女神フローラも)
そういう意味でも、このカードはすごく女性的です。というより母性的。
なので「女帝」は女性性の強いカードですが、私はこのカードの印象はどっちかというと母性性が強い、「お母さん」という感じのイメージ。家庭を愛で守る頼もしい母。「母は強し」みたいな印象です。
もし、これが悪い意味として出るとしたら、愛の過剰。
過剰は、執着であったり、過保護であったり、優柔不断であったり。
有り余るため、停滞します。
そんなときは、「女帝」が兼ね備えている、自身の本当の「愛と豊かさ」を思い出しましょう。
自分自身と向き合って、己の中の豊かさをみつめてみる。
それはきっと、貴方に多くの実りをもたらしてくれます。